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カート

カートは空です

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風に揺れて聞こえてくる風鈴の音。秋になって稲穂が揺れている光景。そんな何気ない日常の中にある心地よい瞬間。僕は、人々が自然と触れ合って暮らす喜びを増やしたくて、空間芸術家として生きている。大学でプロダクトデザインを学んだ後、どうしても入りたい会社。どうしても作りたいものがあった。その会社には入れなかったし、作りたいものは作れなかった。

離れていてもお互いの存在が感じることのできるプロダクト。自然現象に合わせて優しい光を放つプロダクト。そのプロダクトを使う人の心が暖かくなる。そんなものを作りたかった。ただ、プロダクトとして世に出すには、採算や99.9%突き詰めたデザイン上の一つの正解が求められる。これは、大量生産を前提にしていることも関係している。クライアントに合わせて、妥協した売れるプロダクトを作ること。当時の僕はどうしても許すことができなかった。

だから、自分の道を見つけたくて、行ったことのない地に行って様々な人の生き方を学びに行った。見つけたのは、アートの道。プロダクトとは、異なる性質を持つ世界。誰かに理解されるか。食べていけるのか。怖い/不安な気持ちはあった。お手本も少なく、正解の道もない中、開催してきた展示会を経て、自然から借りた美しい空間をみんなと分かち合う喜びの気持ちで満ちていった。

大学でプロダクトデザインを学んでいた自分が、当時想像していなかった空間芸術の世界にいる。この空間芸術は、 誰かが見つけてくれて、代わりに実現してもらう機会がやってくるだろうと思っていた。

そんな日はやってこない。

その事実に、いい加減気付いて、勇気を出して自分の手でゼロからモノを作り出して発表する。沢山の人の助けを借りながら、この生き方に一歩足を踏み出せて良かったと思っている。生きている間、大学時代に作りたくても作れなかった、人の心が温かくなるプロダクトもリリースできるよう、毎日一歩一歩進んでいきたい。

----空間芸術家 30歳

この日々を寄稿くださった方の選書 :
デザインの輪郭 / 深澤直人

"プロダクトデザイナーである深澤直人さんが自身のデザイン哲学や考え方について語ったエッセイ集。無駄を排除し、シンプルさの中に美しさを見出す「無意識のデザイン」や「ものの輪郭」に焦点を当て、デザインを通して人々が自然に使い心地の良さを感じるような作品作りを目指しています。本書では、身近な日用品や製品を題材に、デザインにおける美学や人間との関係性を探求しています。また、彼の代表作や過去のプロジェクトから、実際のデザインプロセスやその背後にある思考についても触れています。"

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